不妊治療って何?保険適用はあるの?

この記事は、興味はあるけど不妊治療がどんな治療か知らない、知りたい方へ、不妊治療の体験談を語ります。正しい知識と認識で不妊治療を頑張るあなたを応援します。


私が本格的に不妊治療を始めたのは、保険適用が始まった2023年4月からです。

不妊治療とは、妊娠を希望しているのになかなか赤ちゃんができない方が行う治療のことです。

それまで不妊治療は保険適用を受けておらず、高額と言われる医療費はすべて自己負担でした。その金額は10万とも100万とも言われ、際限なく掛かる医療費が家計に重くのしかかり、精神的金銭的に、治療自体を諦めるご夫婦もたくさん居たと聞いています。

2020年2月に結婚した時、私は35歳でした。今どき珍しくない晩婚でしたが、その頃はまだ望めばいつでも子供を授かることが出来る、と考えておりました。特に自分が子供が出来にくい身体であるとは思わずに過ごしておりました。

それから2年程経って、なかなか妊娠出来ないことに疑問を感じ、夫に相談したところ、「一度病院で診てもらおう」ということになりました。その頃は今すぐ子供が欲しい!というわけではなく、今後授かるにあたりお互いの身体を知るとこを目的に、クリニックへの扉を開けました。

不妊治療の検査項目

クリニックで先生にありのまま伝えたところ、検査と必要な金額の説明を受けました。まず本音としては「結構掛かるなぁ」という印象でした。

  • 女性の場合 感染症検査、子宮頸がん検診、超音波(エコー)検査、子宮卵管造影検査、子宮鏡検査 …etc
  • 男性の場合 感染症検査、精液検査 …etc

この検査は、個人の治療方針を決めていくために必ずしなければならない基本的なものとなります。

2024年現在の参考費用を以下に掲載します。

検査内容   費用(3割負担額) 自費(税込)
内診・超音波(エコー)検査   約1,600円
子宮頸がん検診   約1,300円
クラミジア抗原検査   約1,300円
感染症血液検査 B型肝炎・C型肝炎・梅毒 約1,400円 約3,300円
  HIV(エイズ) 約2,750円
  風疹抗体 約2,200円
子宮卵管造影検査   約5,000円
子宮鏡検査   約3,000円
検査内容 保険(3割負担額) 自費(税込)
精液検査 約1,200円  
SDF(※)   約37,400円
(※)通常の精液検査では検査することができない、DNAの損傷を検出する検査。

子宮頚がん検診、子宮鏡検査を除く検査を受診することに。夫は感染症検査と精液検査です。

金額はざっと2万円くらいでした。

不妊治療は高いイメージ。

いくらぐらい掛かるか事前に知りたいなぁ。

早速検査予約をすることに。

まず問診票を書いてアプリを登録、そのアプリから予約します。診察予約から検査室、診察室への呼び出し、会計まで全てアプリに登録したメールアドレスまでメールが届きます。受付で名前を呼ばれることはなく、プライバシーに配慮しているな、と感じたと同時に今どきだなと感じました。スマホ必須のクリニックです。

さて、アプリを開きポチポチ操作したところ衝撃が。

予約は月曜日から日曜日まで、平日は朝の8時半から15時半が最終。土日は14時半まで。土日祝はほぼ予約が埋まっており、真昼間の中途半端な時間帯しか空きが無し。この時、まぁ直前だから仕方ないかなと思いましたが、これがデフォルトでした。

平日15時半まではきっついなぁ、というのが第一印象。

私も、もちろん夫も正社員としてばりばり働いているため、平日の受診をする場合、仕事を終えてから病院へ向かうことが多く、ほとんど夜間診療でした。時間内に診察するとなると、有給取得は必須となります。

お休みを貰うことが増えるかも。

理解ある上司に相談しておこう。

私が訪れたクリニックは県内で一番有名(事前に口コミを調べて決めていた)なため、慢性的に予約が取りにくい状態が続いているそうです。待ち時間も2〜3時間は見てくださいとのこと。そんな人気のクリニックとは知らずに少し後悔しましたが、この予約受付時間は、県内どの不妊治療クリニックも似たり寄ったりでした。この予約受付時間の融通が効かないところが、働きながら不妊治療をする上での大きなストッパーになっていると、今も思っております。

検査当日

血液検査とエコー検査、子宮卵管造影検査当日。ドキドキしながら予約時間ぴったりに向かいますが、待てど暮らせどお呼びが掛かりません。

30分後ようやく、検査室に呼ばれてまずは血液検査。その後再度待合室で待機。約30分後、検査着に着替えてエコー検査と子宮卵管造影検査。

エコー検査とは、超音波を用いて子宮内を調べる検査のことです。

子宮卵管造影検査とは、造影剤という液体を子宮から卵管へ注入することで、子宮の形や卵管の通過状態を調べる検査のことです。

検査内容一覧の中にある「子宮鏡検査」とは、子宮内宮を小型カメラで細かく見ていく検査のことです。先に、エコーや造影検査を行い、子宮内に筋腫やポリープがあると疑われたときは、子宮内を詳しく調べる必要があるため、子宮鏡検査を行います。

検査の痛み

血液検査やエコー検査は特に痛みもなく順調でした。ただ、子宮卵管造影検査の痛みは強く、途中で「やめてください」と叫ぶ程でした。

子宮卵管造影検査の痛みは、

  • ひどい生理痛のような
  • 下腹が重いような
  • 下痢のときのような
  • 違和感程度

など、いろいろな言葉で表されています。

検査の痛みに打ちひしがれましたが、あとになって非常に有用な検査であることが分かりました。

私の場合、精子が卵子に向かうために通る卵管が、とても細いため(先生には見えないと言われた)自然妊娠する可能性は低いとのことでした。最終は自然妊娠しにくい身体であることにショックを受けましたが、旦那と話し合いをしたり先生の診察を聞いたりして、早い段階で検査して症状が分かり良かったと心から思うようになりました。

あとで画像を見せてもらいましたが、造影剤を流した道は白くなるので卵管の形がはっきり分かります。卵管の形は人それぞれです。私の場合、くねくねと何度も折れ曲がり、さらに途中で途切れていました。おそらく細くて造影剤が通らなかったのでしょう。痛すぎて途中でリタイヤした先の道が、写らなかったのかもしれません。そりゃあ、精子もこんな細くて険しい道通れないよね、と納得。

やはり検査は大事ですね。

子宮卵管造影検査

子宮卵管造影検査を受けたあとは妊娠しやすい身体になっていると聞きました。人によりそれぞれですが、卵管が詰まっていたり細かったりで精子が通らなかったが、造影剤を流すことで詰まりが解消され結果的に妊娠したケースは多いようです。私の職場の同僚も、この検査で妊娠出来たと言っていたので、やはり有用な検査なんだな、と実感しました。

検査費用は約5,000円と割高ですが、必ず受診をおすすめします。

痛かったけど受けて良かった!

検査結果

血液検査の結果はまた後日、今後の治療方針の説明をするので、次回はご夫婦で来てくださいとのこと。会計を清算して帰宅しました。

後日、結果を聞きにクリニックへ。

子宮卵管造影検査の検査結果は、前回画像を見せていただいたときの説明と同じ。自然妊娠の可能性は低いことと、精子が卵管を通りやすくするための拡張手術があるとの説明も聞きました。

続いて、血液検査の結果。感染症検査はお互い異常なし。

精子検査の結果。精子所見は良好。運動量も問題なし。ここで夫は安心した表情を浮かべていました。

最後にAMH値(卵巣年齢)についての説明を受けます。

AMH値(卵巣年齢)とは

不妊治療する上で良く出てくる、AMH値。この値は、卵巣に残った卵子の数を推定できるほか早期卵巣不全などの症状を発見することができます。

ここでよく勘違いされるのは、AMH値=妊娠率ではありません。必ずしも妊娠率に直結するわけではなく、AMH値では卵子の在庫、妊娠できる期間がどれぐらい残されているかが分かります。

以下は年齢別AMHの平均値となります。年齢を追うごとに低くなるのが分かります。

この時の私のAMH値は、

35歳平均から大きく下回り絶望しました。先生からは「残された卵子の数が少ないので、一度に採取出来る数も少ないかもしれない。子宮卵管造影検査で自然妊娠の可能性が低いと分かっているので、早めに体外受精、顕微授精に切り替えた方が良い」とアドバイスされました。

今後の治療方針が固まったので、体外受精、顕微授精も視野に入れた治療計画書、同意書を作成しました。

体外受精、顕微授精

  • 体外受精とは、採卵手術により体内から取り出した卵子を培養液の中で精子と受精させ、培養した胚を子宮内に移植する一連の治療のことです。
  • 顕微授精とは、細いガラス針の先端に1個の精子を入れて卵子に顕微鏡で確認しながら直接注入する方法をいいます。

体外受精も顕微授精も、体外へ卵子を取り出して受精させる方法は同じですが、受精のやり方に違いがあります。

不妊症の程度や年齢によっては、思い切って体外受精や顕微授精を選択したほうが好結果につながるケースがよくあります。「最終⼿段」などという悲観的に考える必要はありません。

妊活に必要なこと

クリニックで受けた検査、医師からの最初のアドバイスをまとめると、

私に足りないもの

  • AMH値(卵子の在庫)
  • 加齢により低下をする卵子の質の向上
  • 妊活に必要な栄養素
  • 体外受精、顕微授精への理解

などなど。AMH値は今後上がることはないので、今の値を維持できるように、より健康的な生活を心がける。卵子の質の向上については、健康面と共に精神面により配慮し、ストレスを溜めないようにする。妊活に必要な栄養素を広く取り入れる。体外受精、顕微授精の仕組みについて、クリニックが提供している動画があるため、繰り返し視聴し理解を深める。

うん、結構大変だなぁ。ストレスを溜めないように心がけることがストレスかもしれない。でもやると決めたからには進まないと。クリニックを出た時は、そんな気持ちでした。

心とからだの健康づくり

初めてのクリニック受診後、改めて妊活には健康面とこころのバランスが必要なんだと感じました。

健康を維持することって大事なんですね。

次の記事は、実際の不妊治療についての体験談を掲載します。

 

 

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